弁護士在職40年
弁護士として在職して40年となり、令和6年5月24日に千葉県弁護士会より表彰されました。
これからもよろしくお願いいたします。
2024.6.11
茂原市社会福祉協議会にて研修講師を担当しました。
弁護士の河邉義大です。
令和6年3月18日、茂原市社会福祉協議会にて、民生委員の方々を対象に研修講師を担当させていただきました。
研修として扱った内容は「成年後見人制度」と「相続」についてです。
研修は、具体的な事例(仮想事例)に沿って説明を行いました。
内容としては、
・どのような場合に成年後見人を選任したほうがよいのか。
・成年後見人はどのようにして選ばれるのか。
・成年後見人の仕事とは何か。
・成年後見人の仕事に裁判所はどのようにかかわるのか。
・成年後見人の報酬はどこから出るのか。
・相続人はだれか。
・相続放棄の期限はどのように考えるのか。
・相続放棄の注意点はなにか。
・遺産はどのようにして調査をすればよいのか。
・遺産分割の話し合いはどのように行えばいいのか。
などの点について説明をしました。
研修の方法は、私が一方的に講義を行うのではなく、受講者に質問をして双方向にコミュニケーションをとる方法(ソクラテスメソッドと呼ばれています)で行いました。この方法は、法律家を目指す方が通う「法科大学院」で採用されている形式です。私も大学院生の頃に体験しました。質問を受ける受講生は、皆の前で発言して講師と対話をするため緊張しますが、このソクラテスメソッドが一番理解力が深まります。そのため、今回はこの方式を採用しました。
当事務所では、上記の分野以外でも研修講師としての依頼を受けておりますので、気になる方はお気軽にご連絡いただければと思います。
弁護士 河邉義大
2024.4.11
年末年始の営業
今年一年も格別のご愛顧を賜りまして、厚くお礼申し上げます。
誠に勝手ながら、当事務所は以下の期間について 年末年始休業とさせていただきます。
記
お 休 み :令和5年12月29日(金)から令和6年1月4日(木)まで
営業開始:令和6年1月5日(金)午前9時から
ご不便をおかけいたしますが、何卒ご了承いただきますようお願い申し上げます。
2023.12.12
令和5年のお盆期間について
お盆の期間(8月14日・15日)も事務所を閉めることなく、営業をしております。
厳しい暑さが続きますが、体調管理には気をつけてお過ごしください。
2023.7.24
年末年始の営業
今年一年も格別のご愛顧を賜りまして、厚くお礼申し上げます。
誠に勝手ながら、当事務所は以下の期間について 年末年始休業とさせていただきます。
記
お 休 み :令和4年12月29日(木)から令和5年1月4日(水)まで
営業開始:令和4年1月5日(木)午前9時から
ご不便をおかけいたしますが、何卒ご了承いただきますようお願い申し上げます。
2022.12.23
家族信託⑤ 信託できる財産
信託を組むにあたっても、どんな財産でも信託することができるというわけではありません。信託することができる財産には一定の要件があります。その要件は、以下の3つの大きな要件があります。以下の3つが要件です。
① 金銭への換価可能性
② 財産が積極財産(プラスの財産)であること
③ 財産を処分・移転できること
1 ①金銭への換価可能性
信託しようとするものが、お金に換算できるものでなければなりません。典型例としては、
金銭、不動産、株、車、売掛金などがこれにあたります。一般的に、見積もりをとったりでき
るものは、換算できるものになります。
反対に、人格権や身分権などは、金銭への換価可能性がないため、信託財産とすることはで
きません。
2 ②財産が積極財産(プラスの財産)であること
積極財産とは、プラスの財産を指し、借金などの負債は含みません。
もっとも、負債も受託者に移して一緒に管理してもらいたいということも十分に有り得るところだと思います。
そのため、負債については、債権者の承諾を得て、受託者が債務を引き受け、かつ、信託行為において信託財産を当該債務の責任財産とすると定めることによって、受託者に移転させることが可能です。
3 ③財産を処分・移転できること
信託を行うためには、その財産を移すことができることが必要です。不動産や動産などを、受託者に権利(この場合は所有権)を移転して管理を任せるため、権利を移転できないことには信託を組むことができません。
したがって、法律上譲渡が禁止されている債権などは、移転させることができないので、信託財産にはできません。年金受給権などがこれにあたります。
特に、預貯金について、委託者の名義のまま、それを受託者に移すということはできません。預貯金を信託財産とする場合には、いったん預貯金を引き出して、新たに受託者名義の預貯金に移すなどして対応するしかありません。なお、この場合、受託者の財産と混ざってしまわないよう、分別管理しておくべきです。事前に、金融機関との間で、信託口口座が開設できるかということを相談しておくことが必要となります。
2022.12.23
家族信託④ 家族信託と相続
前回、家族信託と後見の違いについて説明しました。
今回は、家族信託と比較されるもう一点の法制度として、「相続」をとりあげ、家族信託と相続との違いを説明します。
1 相続
⑴ まず、相続は、遺言を書くことで、財産を誰に相続(遺贈)させたいかを決めることができます。例えば、Aさんが、亡くなったあとは財産を息子Bに譲りたいと思い、財産を「Bに相続させる。」という遺言を書くことで、Bさんが相続放棄などしなければ、Bさんに財産は相続されることになります。
⑵ もっとも、Bさんが亡くなった後は、Cさんに財産を引き継がせたという遺言は、無効になるという見解が有力であることから、そのような遺言は書いても意味がありません。
⑶ すなわち、Aさんは、遺言で、①B→②Cというように財産を承継する順番を定めることはできないのです。
2 家族信託
⑴ 家族信託においては、委託者が自身の財産の管理を受託者に任せ、その財産から生じる利益を受益者が享受 するという仕組みになっています(なお、当該財産の所有権は受託者に移りますが、受託者は当該財産を自身の財産とは分別して管理をします)。
⑵ そして、家族信託の実質的な利益を享受する主体は「受益者」であり、受益者という立場をどのように引き継いでいくかということも信託で決めることができます。
⑶ 例えば、「委託者」Aが、自身の有する不動産の管理を「受託者」Bに任せ、そこから生 じる賃料は「受益者」であるAが享受するという信託をしたとします。
この場合、信託契約をする際に、Aが亡くなったあとの受益者たる地位をどのように承継されるかについても、契約で定めることができます。
具体的には、受益者たる地位を、Aが亡くなった場合にはBに引き継ぎ、Bが亡くなった場合にはCに引き継ぐというように定めることができます。このように受益者の承継の順番を定めることで、遺言では実現できなかった承継について信託では実現できるということになります。
2022.12.16
家族信託③ 家族信託と後見
1 家族信託と後見(法定後見)の違いは、大きく分けて3点あると考えられます。
2 管理する財産の範囲
1点目が、信託の場合の「受託者」、後見制度における「成年後見人」の管理する財産の範囲と権限に違いがあります。
- 成年後見人(任意後見制度を除く。)が、裁判所から選ばれた場合、成年後見人は、成年被後見人の財産の「全部」について管理をしていくことになります。
- 他方で、受託者の場合、あらかじめ信託契約などにより、どの財産について管理することになるのかという点について定めることになります。つまり、「特定」の財産を選んで管理を任せることになるという違いがあります。
3 財産を管理する人を選べるかどうか
2点目は、財産を管理する人、すなわち「受託者」と「成年後見人」を誰にするかというのを選ぶことができるかどうかという点です。
- 成年後見人(任意後見制度を除く。)の場合、裁判所が適切な成年後見人を選ぶことになります。裁判所は、成年後見人の候補者についての意見などは聞きますが、これに拘束されずに自由に成年後見人を選ぶことができます。そのため、成年後見人として子を候補者として推薦したとしても、裁判所が様々な事情を考慮して、弁護士などの専門家を成年後見人に選ぶことがあります。すなわち、成年後見人が誰になるか、という意味では申立てをしてみないと分りません。なお、候補者としてあげた人物を選んでもらえないことを理由に、申立てを取り下げることはできません。
- 他方で、受託者については、一般的に信託契約という方法が採られていますので、委託者と受託者との間の契約で成立します。通常、委託者は、あらかじめこの人なら財産の管理を任せても大丈夫と考えて受託者になってもらえる人と話をして契約するわけですから、誰が管理するかについては当然委託者の予定通りの人が就任することになります。
4 財産を管理する人に対する監督
3点目は、成年後見人や受託者に、あまりに自由に財産管理をさせるというのはどうか、という意味で問題があります。
- 成年後見人においては、裁判所の監督・関与のもとで、財産を管理していくことになります。
- 他方、受託者の場合、裁判所の一般的な監督に服することなく、どのような監督方法をとるかについても自由に信託契約の中で決めていくことになります。
以上が大きく分けて「後見」と異なる点となります。
弁護士 河邉義大
2022.12.12
家族信託② 家族信託の仕組みと用語
1 家族信託を理解するうえで、最低限押さえておく必要がある用語があります。信託とは、ざっくり言えば、ある人が、財産を他の人に託して、その財産を管理してもらうことをイメージしてもらえればと思います。
2 もっとも、信託は法的に様々な定義や規制があり、信託を組むうえで理解しておかなければならない法律用語が存在します。信託を理解する出発点として理解しておくべきは、「委託者」「受託者」「受益者」「信託目的」「信託財産」になります。
「委託者」とは、信託をする者をいいます。(信託法2条4項)
「受託者」とは、委託者から、信託財産に属する財産の管理又は処分及びその他信託の目的の達成のために必要な行為をすべき義務を負う者をいいます。(同条5項)
「受益者」とは、法律上の定義(同条6項7項)は複雑ですので、信託財産から利益を受ける権利(受益権)を有する者とイメージしていただければと思います。
「信託目的」は、まさしく信託を行う目的です。
「信託財産」は、受託者に属する財産であって、信託により管理又は処分をすべき一切の財産といいます(同条3項)。
次項で、具体例に沿って、用語を理解しましょう。
3 具体例
- Aさんは、多額の資産(マンション、預貯金など)の保有しています。最近、体調を崩すこともしばしばあり、老後の資産管理に悩みを抱えています。
Aさんは、自分の持っている資産を、息子Bに管理を任せておくことで、将来自分が認知症になったりしても悪影響が出ないようにしておきたいと考えています。そこで、Aさんは、マンションや金銭の管理をBに任せて、Bから家賃や現金を受け取るという仕組みを作ることにしました。 - Aさんは、息子Bに財産の管理・処分を任せることよって、自身の老後における財産管理の負担から解放されることを目的として、息子Bと信託契約をします。具体的には、Aの財産(マンションや金銭)の管理や処分をBに任せ、そこからAは定期的に金銭の給付を受けるという仕組みになるのです。
- このような場合のAさんは「委託者」、息子Bは「受託者」となります。「信託財産」は、AがBに託したマンションや金銭がこれにあたります。そして「受益者」は誰かというと、マンションや預貯金から定期的に金銭の給付を受けるAになります。つまり、Aは「委託者」兼「受益者」ということになりますね。そして「信託目的」とは、息子Bに財産の管理・処分を任せることよって、自身の老後における財産管理の負担から解放されることとなります。
- 以上が信託を理解するうえで押さえておくべき最初の用語になります。
こうしてみると、後見でもよいのでは?と思うかもしれません。次回は、後見との違いについて説明していきたいと思います。
2022.12.2
家族信託① 家族信託って何?
最近、財産管理の一種の方法として、「信託」という言葉をよく耳にします。
よく聞かれるのは、「投資信託」「信託銀行」など、金融商品の分野が多いかも知れません。
そのほかに、「家族信託」という分野も、最近話題となってきています。
家族信託という言葉を聞いても、家族信託って何?と感じる方は多いのではないでしょうか。
また、家族信託について調べてみたけれど、「いまいち分からない」という方もたくさんいらっしゃると思います。
そこで、「家族信託って何?」という方のために、本ホームページ上にて、連載形式にて家族信託の解説していきたいと思います。
2022.12.2
お知らせ一覧
2024.6.11
弁護士在職40年2024.4.11
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